最近、Twitterアカウントを開設している企業が増えてきましたよね。
新聞広告やテレビCMなど、メディアを使用した一方通行的な企業宣伝ではなく、ユーザーと企業との双方向コミュニケーションがより重要視される時代。
そんな時代の波に乗り遅れないよう、「自社でもTwitter運用を開始しよう!」と考える企業も多いです。
ただ、個人アカウントではなく「企業アカウント」としてTwitter運用すること自体、分からないことだらけで困惑してしまいますよね。
私も現在、企業アカウントの"中の人"として業務を行なっていますので、その気持ちはとても理解できます。
こうした悩みを解決する手っ取り早い方法は何か。それは、成功者の真似事をしてみることです。
そこで今回の記事では、長年Twitterアカウントを運用されている「東急ハンズ」の担当者が書いた書籍、共感で広がる公式ツイッターの世界:東急ハンズ流企業アカウントの育てかたの内容について、ざっくり紹介していきます。

という方に向けて、重要な部分をピックアップしたので、ぜひ参考にしてみてください。
もくじ
本質:Twitterはコミュニケーションツール
まず、本書ではTwitterは「革命的なコミュニケーションツールである」と述べられています。
企業はツイートを通して「友達(フォロワー)」とコミュニケーションすることで、自社のファンになってもらうことができるのです。
従来の広告による認知拡大では、そうはいきません。
企業が大々的なキャンペーンを実施し、広告費をガンガン使ってPRすれば、たしかに企業の名前を知ってくれる人は増えます。
しかし、いくらコストをかけたところで、企業と個人が「友達」になれることはあり得ません。
企業と個人が「友達」になれるフラットさこそが、Twitterがコミュニケーションツールといわれる理由であり"本質"です。
キャンペーンでフォロワーを増やしても、"ファン"は増えない。
Twitter上では「フォローしてリツイートすると抽選で景品が当たる!」といったキャンペーンを目にしますが、アレでは"真のファン"は増えません。
むしろ、広告・宣伝のしすぎは逆効果になってしまう可能性もあります。
先ほど、Twitterの本質は企業と個人が「友達」になれるフラットさにある、とお伝えしました。
逆にいえば、企業は個人と同じ目線でなければ反応を得られにくくなります。広告の美辞麗句は響かないのです。
「友達=フォロワー」と考えれば、宣伝ばかりしても意味がないことはわかるはず。
重要なのは、どんな人にフォローしてほしいか、"濃いファン"を増やすことなのです。
Twitterは売上UPには繋がらない
広告・宣伝がファンの獲得に繋がりにくい、ということは、Twitter運用では売上に繋がらないことを指します。
正確にいうと、Twitterでの広告・宣伝をきっかけに商品を買ってくれることを期待してはいけません。
Twitterが得意なのはあくまで"ブランディング"であるからです。
「売上に貢献できないのであればTwitter運用しても意味がない!」と考えられるかもしれませんが、そんなことはありません。
直接的な売上貢献は難しいですが、ファンを増やすことで間接的な貢献は可能です。
ファンが増えれば、そのファンが自社のことをツイートし、結果として広告・宣伝よりもインパクトが生まれることもあり得ます。
Twitterは共感のメディアなので、企業よりも個人の口コミが最強なのです。
会話と宣伝のバランスは8:2
ここまで、宣伝一辺倒は逆効果という話をしてきました。
では、実際にTwitter運用する際には、どのようなツイートをすればいいのでしょうか?
こちらについて、本書では「8:2」のバランスが大事だと語られています。
会話は"中の人"感を出していい
企業公式アカウントとなると「企業と関係ないことは話してはいけないのでは…?」と考えがちですが、そんなことはありません。
"中の人"感を出してもいいのです。個人の気持ちをツイートしてもいいのです。
硬い文章・内容は、どうしても企業と個人の間に心理的な距離を生んでしまいます。
親近感を持ってもらうことが、自社の"ファン"獲得に繋がっていくのです。
では、どれぐらい砕けた文章であれば問題ないでしょうか?
本書では、「フォロワーとの距離感は接客と同じ」と述べられています。
私個人としては、アパレル業や美容院の接客がイメージに近いですね。
また、他の企業公式アカウントの言葉遣いも参考になるかと思います。
宣伝はあくまで"フォロワー目線"で
宣伝一辺倒は逆効果ですが、たまに挟むぐらいであれば問題ありません。
その際に気をつけたいポイントが、"フォロワー目線"で必要な情報を提供できているか、ということです。
フォロワーの興味関心と関係のない情報を宣伝したところで、あまり反応はもらえません。
自分ごとに置き換えても、YouTubeやスマホゲームの広告は興味なければスキップしたくなりますよね?
Twitterでもそれは同じ。フォロワーが必要としていない情報は基本的にはスルーされてしまいます。
そのため、Twitter運用する際には、日頃から「どんな人にフォローしてほしいか」「フォロワーは何を求めているのか」に気を配ることが大事です。
本書では、「おはよう」などの何気ないツイートのリプライから話を広げて、自社の商品を宣伝している様子が記載されています。
ただ、Twitter運用を始めて間もない状態では、自社のツイートにリプライをもらえることも少ないと思います。
そのような場合、顧客層が似ている競合他社のTwitterアカウントをチェックし、そのアカウントのフォロワーからの反応を参考にしてみるといいでしょう。
まとめ:最初は数字にこだわらず、"楽しむ"
最初はどうしても数字に気を取られすぎてしまいます。
「いいねが少ない」「インプレッションが少ない」など、Twitter担当者は悩みが尽きません。
そんなとき、思い出して欲しいのが「まずは楽しむ」ということ。
企業公式アカウントのなかには、「#企業公式が地元の天気を言い合う」「#企業公式がお疲れ様を言い合う」などの企業公式専用ハッシュタグを使うケースもあります。
Twitterを運用するにあたっては、はじめにこうしたハッシュタグを使用して、徐々に交流を拡げていくのが良いかと思います。ぜひチャレンジしてみてください!
また、本書では上司などに「バズらせてよ」「フォロワー増やして」と言われた際の対処法や、東急ハンズ流のTwitter活用術も盛り込まれています。
Twitterアカウントの"中の人"であれば、共感 & 新発見の連続ですので、ぜひチェックしてみてくださいね!