
私は五反田で"師匠"と呼ばれる人に弟子入りしたことをきっかけに、2021年の2月まで事業家集団 環境という団体に意図せず所属していました。
この記事では、弟子入りしてから何を教えられるのか、本当に危ない集団なのか、といった疑問に対して実体験をもとにお伝えしていきます。
ネット検索すると「怪しい」「マルチまがい」といったワードが出てくる事業家集団 環境。内部の実態はどのようなものか、深堀していきたいと思います。
もくじ
あらためて"事業家集団 環境"とは?
事業家集団 環境は、ネットワークビジネスを行う会社「モデーア」の内部にある「ワンダーランド」というチームが始まりです。
「ワンダーランド」から名前を変えて「環境」となったようです。
私が所属していた頃の組織内部では、自分たちの所属しているコミュニティを「チーム」という名前で呼んでいました。
ありふれた名前を使用することによって、Googleなどで検索しても上位に表示されない、いわゆる"逆SEO対策"をしているようです。
※2022年の冬頃に再度「環境」内部の人と接触してみたのですが、組織体制に大きな変化はなさそうでした。
まずは見習いからスタート
私が事業家集団 環境に入会してしまったきっかけは、下記の記事で紹介しておりますので割愛します。
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さて、年収が数千万円に到達するという経営者の成功っぷりを聞き、「自分も成功して金持ちになってやるぜ!」と威勢よく弟子入りを志願したものの、師匠の態度にどこか違和感を感じていた私。
そのモヤモヤを抱えたまま私の見習い弟子生活はスタートしました。
イベントには全参加
まず言われたのが、弟子はイベントに全部参加するということ。
イベントとは、いわゆる"師匠"と呼ばれる人たちが主催する勉強会や飲み会、フットサル会やゲーム会のことです。
イベントは平日にも開催されることがあり、仕事があったとしても極力参加することが求められます。
そして、イベントに参加するにあたって、"スタッフ"になることを勧められます。
スタッフとして参加することは大きな学びになるということで、イベント会場の設営スタッフや会費を回収する受付スタッフ、会場への誘導スタッフなどをやるように言われます。
ちなみに、私もスタッフとしてイベントの準備は何度か経験しました。
イベントの主催者側の視点を得るという意味では、たしかに良い学びだったと思います。
余談ですが、このときに参加したゲーム会では、『金持ち父さん貧乏父さん』の著者であるロバート・キヨサキ氏が考案した"キャッシュフローゲーム"というボードゲームを使っていました。
"楽しくお金のことを学ぶ"をコンセプトにしており、ゲーム自体は非常に楽しかったです。
(出典:Amazon)
↑こんな感じのボードゲームです。
また、このゲーム会に一緒に参加していた兄弟子?にあたる人から、

という話を熱弁されましたね。

と、ますますこの団体の怪しさが印象づけられた記憶があります。
1日1回の"チャンスメール"
"気づきメール"とも言うらしいですが、私の師匠は"チャンスメール"と呼んでいました。
今日の良かったことと、その出来事を通じて何を学んだかを毎日1回は師匠にメールすることが求められます。
これをやる目的は二つあり、
- 日頃見逃している"良かったこと"を意識的にフォーカスすること
- 継続することによって自信をつけること
と説明されます。
ひとつは、人間はネガティブなことに意識を向きやすい性質があるので、意識をポジティブなことに向けようという理由です。
これはゲシュタルト療法と呼ばれる心理学の実験で、完全な丸と欠けた丸を比べたとき、人は欠けた丸の方に意識が向いてしまうということからきているみたいです。
もうひとつが、継続することによって自信も積み重ねていくという理由です。
「自信 つけ方」とGoogle検索すれば"小さな成功体験の積み重ねが自信をつける"という言葉で溢れているかと思いますが、まさに同様の理由ですね。
こちらも、自分の思考をポジティブに変えたり、「チャンスメールを書くために何か勉強しないと!」と考えるので行動量も増えます。これ自体は個人的には良いことだと思います。
ただ、このチャンスメール、送る際には"本名"・"メールアドレス"・"電話番号"の記載も求められます。
つまり、大事な個人情報を師匠に渡すことになるのです。
当時の私はアホだったので、電話番号をすんなりチャンスメールに記載して送信してしまっていました。
(送信した直後に「これヤバいかも?」と思ったのですが、既に遅し)
いまのところ迷惑電話などはありませんが、「失敗したなぁ」とかなり反省してます。
メンバーは全員"あだ名"で呼ぶ
これが一番よくわからないシステムだったのですが、チームに参加するメンバーは全員"あだ名"で呼ばれます。
お互いに親近感が増すからか?とも思ったのですが、一番の理由はこの集団が自分の居場所であると印象づけるためではないかなぁと。
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こちらの記事でも書いたのですが、集団の内外で温度差をつけるというのは新興宗教などでもよくみられる手法です。
普段周りの人から呼ばれたことのないあだ名で呼ばれることで、集団の内外で温度差が生まれます。
それが当たり前になってくると、「ここが私の居場所なんだ」と思うようになり、その集団から抜け出しにくくなるんですよね…。
ちなみに、あだ名の決まり方は本当に適当です。好きな食べ物がそのまま"あだ名"として呼ばれる人もいるくらいです。
弟子見習いとして勉強会に参加する
もちろん、見習い弟子のための勉強会というのも存在します。
開催場所は、五反田のレンタルスペースやタワーマンションの一室で行われていました。
勉強会では、次のような話をしていました。
参加姿勢の話
セミナーに参加するにあたっては、三つの参加姿勢があるとのことです。
- 観客
- 解説者
- 選手
これはよくサッカーに例えて話していましたね。
- "観客"はスタジアムやテレビの前で試合を見ている人。
- "解説者"は「〇〇選手のアシストはすばらしいですねー」と観客に分かりやすく説明をする人。
- "選手"は、実際に試合でプレーしている人だとします。
サッカーの試合に参加しているのは変わりないですが、姿勢によって本人が大事にしていることが異なります。
- 観客は"気分と感情"
- 解説者は"理屈と知識"
- 選手は"結果と成果"
そして、セミナーに参加する際には、是非選手の姿勢になって欲しいということです。
「セミナーに参加できて良かった。楽しかった。」ではなく、「こういうことを学んだから、実践してみよう!」と結果を求める人になってほしいということですね。
これに関しては、本当にそのとおりだと思うので、特に言うことなしですね。
物心両面で豊かな人を輩出する
そもそも弟子に手取り足取り教えている目的は、「物心両面で豊かな人を輩出する」ためだと説明されます。
この勉強会で登壇していたのは"師匠"と呼ばれる人でしたが、実はその上に"大師匠"という方がいます。
この大師匠の方が目指すビジョンが、「物心両面で豊かな人を輩出する」ことらしいです。
大師匠の方もあだ名で呼ばれているらしく、どういう事業をしているのかはネットで調べることができませんでした。
ちなみに、"大師匠"のさらに上に"大々師匠"という方もいるらしく、年収は30億に達するのだとか。
強いやつが次から次へと・・・。
ドラゴンボールか!とツッコミたくなりますね。
師匠の教えは全部受け入れる
師匠の存在は、あなたを正しい道に導く羅針盤のようなものであり、師匠の教えを全て受け入れることこそが成功の最短ルートだと伝えられます。
この時点で、かなり教祖ビジネス感が出てきましたね。
そして、師匠から多くを学ぶためには師匠の近くに住むことが重要だと話します。いわゆる"職住接近"です。この場合の"職"とは師匠のことを指しています。
また、"つるみ"と呼ぶらしいのですが、師匠からの急な飲みのお誘いにも即座に行けるよう近くに住むことで、師匠といる時間が長くなり、多くを学ぶことに繋がるので成功に近づくということを教えられます。
師匠の近くに住むために、シェアハウスをしている人たちもいるそうです。
家賃は5万円ほどらしいですが、そのシェアハウスは相部屋で、本当に寝るスペースぐらいの広さしかないとのことでした。
まさに蟹工船のタコ部屋です。
一人大好き人間の私からすれば発狂してしまいそうな状況です…。
また、人間は環境によって変わる生き物であり、私たちは知らず知らずのうちに周りの価値観によって自分の行動が制限されていますと。
つまり、人は誰でも洗脳されているとのこと。それが受動的か能動的かの違いでしかないと話してました。
"人は誰でも洗脳されている"は私も普段から感じていたことなので、これは共感しました。

…と、密かに感じていた私です。
オーナー意識を持つこと
オーナー意識 = 自分が源であり、結果の原因は全て自分という考えを持ちなさいとのことですね。
原因は他人のせいだと憤る人に幸せな人はいないので、"自分が変われば結果は変わる"というオーナー意識を持つことが幸せに繋がるということですね。
この部分については私も共感しました。いつも政治や国のせいにしている人で幸せそうな人っていないですよね。
また、オーナー意識を持つことによって、二つの能力が身につくようです。
- 目標達成能力
- 自己管理能力
特に自己管理は重要で、経営者を目指すなら自分自身も管理できないと人も管理できないですよと。
自己管理能力とは、主に次のような項目の管理能力です。
- タイムマネジメント
- 金銭管理
- 体調管理
- メンタル管理
確かに、いずれも大事な項目にはなってきますよね。
「自分が源」は、かなり重要な考え方ですが、自責思考になりすぎないように注意ですね。
チームビルディング
チームビルディングは、すなわち人脈作りです。
「早く行きたいなら1人で行け。遠くへ行きたいならみんなで行け。」というアフリカのことわざもあるように、大きな成功を手にしたいなら人脈は多い方がいいということです。
そして、師匠からは次のような問いかけがあります。


…まぁ、全部即答できる友人は少ないと思います。
すなわち、上記の項目を即答できる知人・友人を増やすことがチームビルディングであると説明されます。
ちなみに、師匠からは「上記の問いに答えられる友人の数を(年齢×10)人は知っていること」が目安だと言われました。
このように、現状把握をすることはとても大事なことであると何度も説明されます。
何故なら、自分がどこにいるかわからないと、目標を決めても計画が立てられないからであると。
例えば、目的地をハワイに設定したとしても、自分のいる場所が日本なのかアメリカ本土なのかによって当然プランは変わります。
このように、現時点をしっかり把握することは、目的達成のための最短ルートを決める上で必要なことであると教わりました。
現状把握の話は、「確かになぁ」と思うところがありました。
ただ、チームビルディングの話は懐疑的でしたけど。
本格スタートすると始まること
見習い弟子として、成功するために必要なマインドを勉強したあと、師匠に「本格的に弟子にしてください!」ということで見習いを卒業できます。
見習いを卒業したあとは、次のようなことを行っていくようです。
オンラインサロンの拡大に貢献
まず、"チーム"と呼ばれるオンラインサロンに加入することになります。費用は月額11,000円。
サロン内は車の教習所のような体制ですが、自ら主体的に動いて学びの機会を取りにいく必要があるとの話でした。
また、チームの拡大に貢献することで、その見返りにチームのメンバーはあなたが起業して事業を始めたときに応援しますという内容でした。
世界的なお金持ちの一族とされる「華僑」の考え方をベースに、オンラインサロンの体制が出来上がっているようです。
チームの拡大の手段については見習い弟子の私には詳細に教えていただけませんでしたが、おそらく勧誘(チームビルディング)をすることになるだろうと思っています。
それこそ、前回の記事で私がこの団体に加入するきっかけとなった"新橋で声をかけられた"ときと同じことを、人脈作りと称して促されることは容易に想像できました。
15万を自己投資に充てる
まず、見習いの段階でキャッシュフローを毎月15万出せるように促されます。
キャッシュフローとは、収入から支出を引いた金額のことを指します。
毎月15万を出せない場合、師匠らからは副業を始めることや、イベントの幹事をして費用の差額分を収益とする方法をオススメされたりします。
また、この15万円については、自己投資のために使うお金だと説明されます。
具体的には、
- ビジネス書を読む
- 勉強会に参加する
- 事業投資をする
といったことに投資していくこととされています。
"事業投資"の内容はわからなかったですが、ネットの情報から推察するに、師匠が経営しているショップの商品を購入したりすることを指しているのではないかなと思っています。
この"15万円を自己投資する"といった部分が、事業家集団 環境(チーム)の悪評を生んでいる元凶だと言えますね。
まとめ:学べることは確かにあるが、適度な距離感が大事
師匠の見習い弟子になってから、さらにこの集団への不信感が募ってきました。
勉強会自体はビジネス書を煮詰めたような内容で面白かったこと、モチベーションの高い人たちが多いということもあり、適度な距離感で付き合っていけば居心地のいい空間だったなとは感じます。
ただ、私の場合は師匠から「いつまで見習い弟子なの?」という圧力を受け、いつまでも属しているわけにはいかないなと感じたので、残念ですが連絡を絶つ選択をしました。
事業家集団 環境は学べることは確かにあるので、もし加入に興味があるという方は自己責任で覗いてみるのもアリかもしれませんね。
また、私のように意図せず入会してしまった場合、どのように脱退すればいいかをこちらの記事で紹介しています。
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