こんにちは、"元地方公務員"のよわです。

こういった悩みは、特に若手公務員であるほど抱くことが多い傾向にあります。
私自身、公務員時代は仕事での達成感の少なさや対人ストレスで悩んでいましたが、せっかく公務員試験に合格して入庁したのに辞めるのはもったいない感じがしていました。
しかし、ずっとモヤモヤした状態で公務員の仕事を続けるのは難しいと思い、清水の舞台から飛び降りるつもりで退職しました。
結果として退職したことは正解だったと感じていますが、私のような"赤の他人"が「退職して良かった!」とだけ話したところで、現在公務員として勤めている方にとっては参考にならないかと思います。
そこで今回の記事では、公務員を辞めて後悔したこと・良かったことを紹介し、いまの仕事を続けるかどうか考えるきっかけを提供できたらと思っています。
また、「自分には公務員向いていない…」と感じる人に向けて
- 公務員が向いていない人の特徴は何か
- 退職して後悔しないためには何をすればいいか
についても解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください!
もくじ
実際に自己都合で公務員を辞めている人は3割強
出典:「令和元年度地方公務員の退職状況等調査」(総務省)
総務省がまとめた「令和元年度地方公務員の退職状況等調査」によると、離職者のうち3割強が自己都合などの理由で退職しています。
しかも、普通退職者のうち35歳未満で辞めた人は58.9%にまで達します。
私の実体験では、「都市部の市役所かつ私の元同期」とかなり限定的ではありますが、約5人に1人が3年以内に退職している状況でした。
このように、特に20代30代の若い職員は、現状に固執せずに退職する傾向が強くなってきています。
公務員を辞めて後悔した3つのこと
それでは、私が実際に公務員を辞めてから感じた「公務員の方が得だった…」という後悔を挙げていきます。
後悔を感じる点は次の3つです。
後悔したポイント
- 世間的な評価は下がった
- 安定してボーナスをもらえなくなった
- 趣味に没頭できる時間が減った
具体的に説明していきます。
世間的な評価は下がった
公務員という肩書きは、まだまだ世間的な評価が高いです。
私が公務員になったときには、家族は泣いて喜んでくれましたし、親戚や友人からの評判も上々でした。
「えらい!」「すごい!」「誇らしい!」
このような言葉をかけられやすい職種だったなぁと感じます。
また、ローンなどの審査が通りやすい点も、公務員の地位が社会的な信用を得ていることの証明だといえます。
いまはIT系の企業に就いていますが、周りからは「へぇー…」と反応が薄い場合が多いです。
このように、公務員は社会的なステータスで見たとき、非常に優位に立てる職業だったと実感しました。
安定してボーナスをもらえなくなった
年に2回、合計4ヶ月分程度のボーナスが安定して発生することは、大きなメリットです。
公務員の給与は景気の良し悪しに左右されにくいため、贅沢をしなければお金に困ることはありません。
「公務員=安定」の象徴的な部分ですね。
私が現在勤めている会社は業績によってボーナスの有無が決まるため、公務員時代の安定感・安心感はないです。
安定して入るボーナスを失ったことは、公務員を辞めて後悔しているところではあります。
趣味に没頭できる時間が減った
仕事終わりや休日に使える趣味の時間が減ったことも、後悔したポイントです。
公務員時代は良くも悪くも、仕事に関する勉強をほとんどしなくても許される環境でした。
公務員の仕事は定型的な作業が多く、一度仕事の流れを理解してしまえば問題ないからです。
もちろん、法律的な知識が必要になる場面もありますが、だいたいはその場で調べれば解決することが多かったです。
また、部署にもよりますが、残業をほとんどしないで帰宅できることも少なくありませんでした。
そのため、就業時間外は仕事のことを考えず、自分の興味のあるジャンルや趣味に没頭できる時間が多く確保できていました。
いまは休日も仕事に関する勉強をしているので、趣味に費やす時間が減ってしまい、少し寂しい気持ちではありますね。
逆に、公務員を辞めて良かったこと3つ
ここまで公務員を辞めた後悔について話してきました。
それとは反対に、実は公務員を辞めて良かったこともあります。
良かったと感じたポイント
- 仕事での対人ストレスが減った
- 将来の選択肢が増えた
- 副業ができるようになった
こちらも具体的に説明していきます。
仕事での対人ストレスが減った
転職先にもよりますが、私の場合は対人ストレスは格段に減りました。
公務員は、仕事上の分類でいえば接客業になってきます。
基本的には市民の方々はいい人ばかりなのですが、まれに「公務員だから」という理由だけで罵倒されることもあります。
いわゆる"クレーマー"と呼ばれる方々です。
私がかつて所属していた部署の一例ですが、窓口対応で一人のお客さんのクレームを5~6時間聞き続けるなんてこともありました。
また、内部の閉鎖的な人間関係もメンタルがキツくなる要因でしたね。
全ての職場に当てはまらないとは思いますが、私がいた職場ではあらゆるウワサ話が聞きたくなくても耳に入ってくる状況でした。
いまの職場はデスクワークがメインなのですが、集中して作業できる環境になったこと、風通しのいい職場環境になったことで、対人ストレスはかなり減ったと感じています。
将来の選択肢が増えた
公務員を辞めて良かったと感じる一番のポイントは、自分の可能性が広がった点です。
公務員だと、自分がどういったキャリアを築けるかは人事次第になってきます。
自分のやりたいことがあっても、その部署の定員が埋まっていれば、異動届を出したところで無意味でした。
私が公務員を辞めてからは、将来について自分自身で考えないといけないという負担が増えましたが、同時に選択肢が広がったことで気持ちが晴れやかにもなりました。
自分のキャリアを自分で選べる自由は、人生を豊かにするものだと心から実感しています。
副業ができるようになった
「将来の選択肢が増えた」に近い部分でもありますが、副業にもチャレンジできるようになったのも魅力でした。
副業はお金を稼ぐために行う人もいますが、私は自己実現の場であるとも考えています。自己実現とは、自分のやりたいこと、理想の実現によって社会貢献していく姿勢を指します。
前々から趣味でやっていたことやチャレンジしたいことで、人から感謝されたり、本業にプラスに働いたりすることは、人生においても有意義な体験となります。
最近では、パラレルキャリア(複業)といったように、ひとつの仕事に縛られない働き方をする人も増えてきましたが、公務員の場合は法律によって副業は禁止とされていますよね。
自分のやりたいことを実現できる場ができたというのは、公務員を辞めて良かったポイントでした。
これに当てはまる人は公務員向いてないかも…
私が公務員を辞めたいと感じた理由は、「自分の性格と仕事内容が合っていない」と感じたからです。
では、どういった人が公務員に向いていないのでしょうか。
4つほどポイントを挙げます。
向いていない人の特徴
- 閉鎖的な人間関係が苦手
- マルチタスクが苦手
- 気持ちの切り替えが難しい
- スキルアップしたい気持ちが強い
具体的な内容をみて、いま一度公務員としてやっていけるのか、客観的に判断する材料にしてくださいね。
閉鎖的な人間関係が苦手
閉鎖的な人間関係に苦手意識がある人は、公務員になるとキツいです。
公務員(特に地方)では、内部の人間同士の繋がりが重視されており、悪くいえばベタベタした関係である傾向が強いです。「誰と誰が付き合っている」といったウワサ話の類は、それこそ光の速さで拡散されます。
また、集団行動を大事にしていますからレクリエーションや飲み会も頻繁にあり、1〜3年目の職員は半ば強制的に連れ出される空気感があります。
私の公務員時代では、部署を跨ぐ飲み会が開催されたときは、翌日の朝に1時間ぐらいかけて役所内の部署を駆け回り、飲み会のお礼の挨拶をしていました。
このようなことが苦にならない外向的なタイプの人ほど公務員は向いていますが、さっぱりとした人間関係を望む人にとっては不向きな職種だといえますね。
マルチタスクが苦手な人
マルチタスクよりシングルタスクの方が仕事に集中できる、という人は公務員に向かない可能性があります。
というのも、公務員だと窓口対応や電話対応なども頻繁にあるため、マルチタスクが得意でないと事務作業が進まないからです。
私自身もマルチタスクが苦手なので、1日のスケジュールをある程度決めてから作業していましたが、実際は窓口対応や電話対応がひっきりなしに発生するため、どうしても事務作業を一旦中断しなければなりません。
人手不足等でやらなければならないことも多いなか、窓口対応や電話対応もないがしろにできないので、自分の作業時間が乱れがちになってしまうのが役所の現場です。
このように、タスクごとにスイッチを素早く切り替えられる人でないと、公務員として仕事を進めるのは難しいかもしれません。
ただ、マルチタスクに頼らなくても効率的に仕事する方法はあります。
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気持ちの切り替えが難しい
気持ちの切り替えがなかなかできない人も、公務員を続けていくことがストレスになるかもしれません。
公務員に多いのが、市民の方々からのクレームです。サービス向上のためのありがたいお言葉もありますが、多くの場合は法律・制度上の理由で対応できないケースに対するクレームがほとんどです。
対応できない旨を伝えた際には、「使えないわね!」「ふざけるな!」といった心ない言葉も多いです。こうした電話が平気で2〜3時間続くこともあるで、当然のことながら心も疲弊してきます。
気持ちの切り替えがうまい人は、「いやぁ、当たり引いちゃったなー」と周りに話してストレス解消できます。
ただ、切り替えがうまくない人は、誹謗中傷が頭のなかをぐるぐる回り続けてしまい、しばらく凹んでしまいます。
こうした状態は、特に真面目で責任感が強い人ほど陥りやすいので、心が病まないよう注意が必要です。
スキルアップしたい気持ちが強い
スキルアップしたい、成長していきたいという気持ちが強い人ほど、公務員の仕事に嫌気がさす傾向が強いです。
仕事内容がスキルを必要としない作業であることが多く、いってしまえば誰でもできるような作業であるため、自分の成長を実感しづらい仕事でもあります。
公務員の仕事は前例を踏襲するスタイルであることが多いため、どんなに非効率・非生産的な作業であっても簡単には変えることができません。
また、人手不足の影響で、成長意欲が高く仕事ができる人ほど仕事が集中してしまうというケースも非常に多くあります。
年功序列型であるため、仕事量はめちゃくちゃ多いのに、サボっている先輩のほうが給与が高い…といったことも珍しくありません。
仕事を通じて自分自身を成長させていきたいと思う人にとっては、あまり良い環境であるとはいえないのが実情です。
退職して後悔しないための三か条

ここまで読んでくれた人の中には、このように感じた人もいるかもしれませんが、ちょっと待ってください。
自分の感情に任せ、勢いだけで退職してしまうと「失敗した…」と後悔する可能性が高くなってしまいます。
次のステージに後悔なく進むためにも、事前の準備がめちゃくちゃ重要になってくるのです。
ここからは、退職してから後悔しないようにすべき3つのポイントについて紹介していきます。
失敗しない3か条
- 「やりたいこと」の見つけ方を知る
- 資格取得に向けて勉強する
- 転職エージェントを活用する
具体的にみていきましょう。
「やりたいこと」の見つけ方を知る
公務員を辞めた後に"何をしたいか"が明確な人は、退職してから後悔することはありません。
何故なら、目標や目的がはっきりしている分、自分の進む道を迷うことが少なくなるからです。
「やりたいこと」が明確でない状態をマラソンで例えると、スタートラインから飛び出したはいいものの、ゴールの場所がわからない状況です。
これでは本来のなりたい自分から遠ざかってしまう危険もありますし、「スタートラインから飛び出さなければ良かった…」と後悔する原因にもなってしまいます。
自分の「やりたいこと」のビジョンを持つことが、退職しても後悔しないうえで最も大切なポイントになるのです。

このように悩んでしまう場合は、八木仁平氏の『世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方』を参考にするといいでしょう。
本書は「やりたいこと」の見つけ方を体系的にわかりやすく解説されており、非常に読みやすかったのでオススメです。
資格取得に向けて勉強する
資格を持っておくことで、公務員でも転職を有利に進めることができます。
公務員は、転職市場では価値が低く見られがちです。
何故なら、公務員は定型的な作業が多く、スキルが身に付いていないと考えられているからです。
ただ、公務員という肩書きは「真面目そう」「試験に受かるぐらいだから頭は良さそう」という評価も一定数あります。
なので、公務員の肩書きにプラスアルファしてビジネススキルを見せることができれば、転職を有利に進めることができます。
もしあなたがビジネススキルを学びたい場合は、Udemyを活用するのがオススメです。
Udemyは数多くのビジネススキルを学べる動画教材が集まるプラットフォームです。
資格の勉強はもちろん、プログラミング学習も充実しているので、何かしら自分でサイトを作成してポートフォリオにすると転職市場での評価も上げることができます。
転職エージェントを活用する
転職活動をなるべくスムーズに進めたい人は、転職エージェントの利用をオススメします。
転職エージェントは、求人のマッチングや提出書類の添削、面接対策まで対応してくれるところもあり、1人で不安な転職活動をサポートしてくれます。
転職エージェントは、いわば転職のプロなので、アドバイスをもらうには打ってつけの相手です。
転職エージェントの代表的なサイトは、次のとおりです。
代表的な転職エージェント
- リクルートエージェント
- dota(デューダ)
- マイナビエージェント
転職エージェントによって掲載している求人や非公開の求人が微妙に違ってくるので、余裕があれば複数登録しておくといいでしょう。
ただし、転職エージェントにも良し悪しはあります。

と気になる方は、北野唯我氏の名著「このまま今の会社にいていいのか?と一度でも思ったら読む 転職の思考法」を事前に読んでおくことをオススメします!
この書籍を読むことで、転職エージェントの良し悪しが見分けられるだけでなく、いい会社の見分け方も身につけられるので、転職を検討している人は必読です。
まとめ:やる後悔よりやらない後悔の方が強く残る
今回の記事をまとめると、次のようになります。
後悔したこと
- 家族や友人など、世間的な評価は下がってしまった
- 年2回の安定したボーナスがもらえなくなった
- 仕事の勉強が忙しく、趣味に没頭できる時間が減った
良かったこと
- 職場内外での対人ストレスが減った
- 将来の可能性が広がったことで、日々の活力を得た
結果として、私は公務員を退職したことは正解だったと思います。
一握りの後悔はありますが、勇気を出して行動できた過去の自分に拍手を送りたいです。
人間は変化を嫌う生き物であるといわれています。
しかし、「やる後悔」よりも「やらなかった後悔」の方が、歳を重ねるごとに大きくのしかかってくるのも現実です。
いまがあなたの一番若いときです。
「ああすれば良かった…」と後悔するより、まずは今回紹介した『世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方』を参考に、あなたが本当にやりたいことを明確にしてから、公務員を辞めるかどうか決めてみてくださいね!