社会人になって求められるスキル「マルチタスク」。
仕事を同時並行でテキパキこなす人は優秀で、そうじゃない人はダメといった空気感ってありますよね。
そして、私はマルチタスクができない側の人でした(いまもそうです)。

マルチタスクができる人をみて、自分に自信をなくしてしまうこともありました。
しかし、むしろマルチタスクをしないほうが仕事を効率的に進められる、という事実があるのをご存知ですか?
現に、私もマルチタスクは身につけられませんでしたが、いまでは仕事で着実に成果を出しています。
そこで今回の記事では、マルチタスクに憧れなくてもいい理由と、仕事を効率的に進められる方法について書いていきます。
もくじ
マルチタスクができないことは”悪”なのか?
以前、とあるベンチャーの代表と話をする機会があったのですが、話の中で私がマルチタスクができないことを伝えると、このように言われました。

なるほど。マルチタスクができない人はこういう評価を受けるんだなと感じ、とても悲しくなった記憶があります。
世間的な評価でみても、おそらくマルチタスクができる人のほうが評価は高いのでしょう。
しかし、マルチタスクができない人=ダメな人と決めつけるのは少々短絡的な気もします。
さらにいうと、私はマルチタスクは目指さなくてもいいとすら考えています。
マルチタスクができなくても問題ない理由
マルチタスクを目指す必要はありません。
では、なぜマルチタスクをしなくても問題ないのか。それには、3つの理由があります。
マルチタスクが不要な理由
- マルチタスクができる=優秀ではないから
- 脳の切り替えに余計な時間を使うから
- 仕事が中途半端になる可能性があるから
それでは、順番にみていきましょう。
マルチタスクができる=優秀ではないから
「マルチタスクをこなす人は仕事ができる」と考えがちですが、実はそうでもありません。
なんとなく、絶えず動いている人は優秀そうだなと錯覚してしまいますが、単に時間に追われているだけのパターンの場合もあります。
例えば、目の前のことをひたすら消化するタイプの人だと、優先順位を決めずに仕事をしていた結果、時間の余裕がなくなりバタバタ動いているだけかもしれません。
仕事における最大の目的は「成果を上げる」というポイントになるので、一見テキパキ動いてそうでも、成果が上がらなければ意味がないですよね。
「成果を上げる」人が優秀なわけで、マルチタスクをしている人が優秀なわけではないのです。
脳の切り替えに余計な時間を使うから
目の前のタスクに集中するには、(個人差はありますが)ある程度の時間はかかります。
そもそも、マルチタスクはまったくの同時並行で作業することではありません。
マルチタスクの正体は、コンピューターのように完全に同時並行して行っているわけではなく、細かなタスクの切り替えです。
そして、細かなタスクの切り替えのたびに、せっかく高まってきた集中力もぶつ切りにしてしまうのです。
タスクを切り替えたときに、また最初から集中力を上げることになるので、この時間は正直無駄かなと感じてしまいますね。
仕事が中途半端になる可能性があるから
マルチタスクで作業しようとすると、それだけタスクごとのクオリティが下がる危険があります。
マルチタスクを行う場合、細かなタスクの切り替えによって集中力が途切れてしまいます。
そうなると、作業効率も落ちてしまうため、結果としてタスクごとにかけられる作業時間が少なくなってしまいます。
簡単なルーティーンワークであればまだいいですが、そうでない場合はしっかり時間を確保した方がいいでしょう。
肝心なのは”優先順位”と”時間配分”
マルチタスクがそんなに素晴らしいものではないことを理解していただけたと思います。
では、仕事をするうえでは何に重点を置けばいいのでしょうか?
結論からいうと、この2つをマスターすることになります。
- 優先順位
- 時間配分
この2つを理解しておけば、「仕事ができない」といわれることはなくなります。
タスクを洗い出して、優先順位をつける
タスクごとに優先順位をつけることは、仕事を効率よく進めるうえでは欠かせない要素です。
いくらタスクを消化したとしても、それが優先度の低いものばかりでは成果につながりません。
優先順位を決める簡単な流れは次のようなものになります。
簡単な流れ
- やらないといけないタスクをメモに書き出す
- そのなかで優先順位をつけていく
- 優先順位の高い順に処理していく
こうした優先順位づけを毎日行うことで、自分が抱えているタスクの状況も理解することができますし、作業にとっかかりやすくなります。
ちなみに、タスクの優先順位づけは、個人的には終業後に行うのがオススメです。
帰宅前にタスク整理した方が翌朝の始業からすぐ着手できますし、休日を挟んだときに「作業内容を忘れた」といったこともなくなります。
タスクが終わる目安の時間を設定する
優先順位が明確になったら、タスクごとにどれくらいの時間がかかるのかをおおまかに計算してみましょう。
タスクごとの時間がわかればスケジュールも組みやすくなりますし、「この時間はこれをやる」といったようにひとつのタスクに集中することができます。
上司への進捗報告も、作業時間がわかっていれば「3時間で終わるタスクで、いま1時間経過したから30%程度かな」と定量的に伝えやすくなりますしね。
なので、タスクを整理したら「これはいつ頃終わるだろうか」と考える癖をつけましょう。
はじめて行う作業で時間がわからない場合であれば、似たような作業で何時間かかったかで予測するといいですよ。
もし割り込み業務が入ってきたら・・・
優先度と時間配分を決めたとしても、いつもうまく進まないのが仕事というもの。
仕事をしていれば、突発的に優先度の高い仕事が割り込まれてくることもあるでしょう。
こうした割り込みのタスクがくると、「せっかくの作業計画がグチャグチャに・・・」といった経験はないですか?
ちなみに、私はめちゃくちゃあります(笑)。
こうした割り込み作業への対処方法としては、スケジュールが滞らないよう事前に対策しておく必要があるのです。
割り込みでの仕事に対処するには?
- あらかじめタスクを細分化しておく
- タスクが終わる時間に余裕を持たせる
具体的に説明していきます。
あらかじめタスクを細分化しておく
優先順位を決めるためにタスクを洗い出すときは、タスクをできるだけ細分化することをオススメします。
何故なら、割り込み作業を終えた直後でも、元からあった自分のタスクにとっかかりやすくするためです。
マルチタスクの欠点として、いまやっている作業から別の作業に取りかかるときに集中力が一度途切れてしまうという話をしました。
そして、集中力が途切れてしまうのは割り込み作業を行うときでも同じ。
割り込み作業を終えたあと、自分のタスクに戻ろうとすると集中力が途切れてしまい効率も落ちてしまいます。
そこで、あらかじめタスクを細分化することで、自分のタスクに戻る際のとっかかりを作りやすくなり、比較的効率を落とさずに作業再開することができます。
例えば、企画書であれば「資料を集める」「見出しを考える」「要点をまとめる」「執筆する」「図を入れる」などなど。
タスクの細分化をすることで、より柔軟に対応することが可能になります。
タスクが終わる時間に余裕を持たせる
作業時間を決める際に、時間にゆとり(バッファ)を持たせることが大事です。
先ほど、タスクが終わる時間を事前に予想しておくことで、スケジュールが組みやすくなるという話をしました。
ただ、割り込み作業が入ってしまうと、こうしたスケジュールも後ろ倒しになってしまいますよね。
なので、あらかじめ「予期せぬことが起こった場合に対処する時間」も考慮したうえでタスクが終わる時間を予想することが効果的です。
割り込み作業はもちろん、急なトラブルにも対応できるよう、多少時間にゆとりを持ってスケジュールを組むのがいいでしょう。
集中力を高めるには”瞑想”もオススメ!
仕事中の集中力を上げたいという人には、「瞑想」もオススメです。
1日10分の瞑想を行うことで、頭のなかがリセットされて仕事の生産性が上がります。
「瞑想」と聞くと、オカルトっぽいしちょっと怪しい・・・と感じるかもしれませんが、実は多くの成功者が取り入れている手法でもあります。
瞑想を取り入れている有名人
- アップル創業者のスティーブ・ジョブズ氏
- マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏
- メジャーで活躍していたイチロー氏
などなど・・・
私自身も実践していますが、頭のなかがスッキリする感覚はクセになります(笑)。
例えば、パソコンでもメモリがパンパンで容量が不足していると処理速度が遅くなったりしますよね。
なので、メモリの空き容量を増やしましょう!というのが「瞑想」になります。
瞑想を行うことは、何かと忙しい現代人にこそ必要なものです。
瞑想に関しては、アンディ・プディコム氏が書かれた『頭を「からっぽ」にするレッスン 10分間瞑想でマインドフルに生きる』が入門書としてオススメです。
あのビル・ゲイツ氏が「入門書」として推薦している書籍となっておりますので、ぜひチェックしてみてください!
まとめ:マルチタスクができる・できないは重要じゃない
マルチタスクをすることは手段であって目的ではありません。
あくまで目的は「効率的に仕事を片付けること」「生産性を上げて仕事をすること」のはずです。
そして、仕事の進め方は人それぞれで、マルチタスクばかりが有能な働き方ではありません。
まずは、今回紹介した「優先順位」「時間配分」の考え方をベースに、自分なりの仕事の進め方を見つけてくださいね。